みなさまこんにちは。中小企業事業者の味方社労士ウリボーです。
今回は令和4年10月1日以降のキャリアアップ助成金就業規則の正社員転換時の「試用期間」について書かせていただきます。
就業規則の試用期間について
令和4年10月1日以降の「キャリアアップ助成金正社員転換コース」をいただくにあたり注意しないといけないことがたくさんあるのですが、そのうちの一つを書かせていただきます。
厚生労働省のキャリアアップ助成金のリーフレットによりますと就業規則に「試用期間」が書かれていますと、その試用期間後から、「キャリアアップ助成金の正社員転換したとみなす」と記載されています。
つまり試用期間が例えば3カ月ある会社であれば、その3カ月間はキャリアアップ助成金上、非正規社員であるとみなすこととなるとのことです。
すなわちキャリアアップ助成金は正社員転換後の6カ月とその直前の非正規社員の期間6カ月を比較して3%以上UPしていることがキャリアアップ助成金がいただける要件ですが、
正社員転換後試用期間があれば、その試用期間は非正規社員としての比較することとなってしまうこととなります。
わかりますでしょうか?例えば正社員転換時に給与を20万円から21万円に上げたとします。ただし「試用期間が3カ月」となっていた場合、キャリアアップ助成金の支給申請時の非正規社員と正社員のそれぞれ6カ月間の賃金比較は、
非正規の期間の給与 20万+20万+20万+21万+21万+21万=123万 123万×1.03=1,266,900円
正社員から6カ月の給与 21万×6カ月=126万円
∴ 126万<1,266,900円 3%要件を満たさず正社員転換コースのキャリアアップ助成金はいただけないこととなります。
要注意です。要注意です。まだパンフレットに書かれているだけで、どのような運用がされるかはわかりません。
試用期間満了日の翌日から6カ月経過してからの支給申請となってしまう
また、この試用期間が就業規則に記載されていますと、「試用期間」後から6カ月経過してからしか、このキャリアアップ助成金の支給申請ができないこととなります。かなりこのキャリアアップ助成金の支給申請がずれてしまいます。
その間に退職するリスクもありますね。
対策
対策を考えますと、
A案 就業規則の「試用期間」の部分を削除する。(試用期間を適用しない。)
B案 就業規則の「試用期間」が記載されている箇所に、その後続けて「ただし従前からパートタイマーや契約社員などから雇用され、引き続き正社員になった者には、試用期間は設けない」と入れておく。
C案 「試用期間」中の給与を非正規社員の時の給与額とし、「試用期間」満了後から3%以上UPさせる。
などなどでしょうか?
なお、A案、B案ですと正社員転換後6カ月経過時に支給申請できますが、C案ですと試用期間経過後から6カ月後の支給申請を待たないといけませんね。
もちろん、お伝えしておきますが上記の案が必ず大丈夫であるとは、今現在言えませんのでご了承下さい。
まとめ
キャリアアップ助成金正規社員転換コースについて令和4年10月1日以降の正社員転換について、就業規則に「試用期間」が書かれている場合、その「試用期間」中は非正規社員としてみなすこととなります。したがって3%UP要件を満たすことができますよう要注意をお願いいたします。
また、「試用期間」が就業規則に簡単に記載されていますと、キャリアアップ助成金の支給申請が「試用期間」満了後から6カ月経過しないとキャリアアップ助成金支給申請ができないこととなります。
これから令和4年10月1日以降の正社員転換が出てくることと思います。先ほども申しました通り、上記の対策で必ずキャリアアップ助成金がいただけるとは限りませんので、今後見届けてまいりたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。中小企業事業者の味方「社労士ウリボー」でした。\(^o^)/
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