みなさまこんにちは中小事業者の味方社労士ウリボーです。
今回はキャリアアップ助成金・収入の壁コースの紹介をさせていただきます。
このキャリアアップ助成金のコースの正式名称は、「社会保険適用時処遇改善コース」と長い名称になっております。この「社会保険適用時処遇改善コース」は2つのメニューあります。(メニューって厚生労働省がいってます。)
(1)労働時間延長メニュー 1回限り30万円
(2)手当等支援メニュー 最高3年3回、1年目20万円、2年目20万円、3年目10万円、合計最高50万円
と2つのメニューがあるのですが、2023年ごろ国はテレビCMまで流して宣伝してました。
私はそのうち(1)労働時間延長メニューを支給申請しました。
「(2)手当等支援メニュー」は、あとで簡単に説明しますが、これは全く現実的ではない助成金になっています。
(1)労働時間延長メニュー 1回限り30万円
どういう助成金かと申し上げますと、
ある会社のパートのPさんは、週5日1日5時間週合計25時間働いていました。
そんなPさんは勤務している会社の社長に「収入額が130万円超え、夫の健康保険の扶養から外れるので、健康保険・厚生年金に加入させてほしい。」と相談しました。
そこで社長は何かいい助成金はないかと社労士である私に相談をしてきました。私はこの「労働時間延長メニュー 1回限り30万円」を説明しました。
今回は1日の就労を1時間増やし30時間とすると、週5時間の延長なので、助成金をいただくのに賃金の増額は必要ありません。(下の表参照)
社長も優秀なパート社員の要望に応え賃上げせずに30万円がいただけるとすごく喜んでおりました。
週所定労働時間の延長 | 賃金の増額 |
4時間以上 | ー |
3時間以上 4時間未満 | 5%以上 |
2時間以上 3時間未満 | 10%以上 |
1時間以上 2時間未満 | 15%以上 |
(2)手当等支援メニュー
週20時間以上で健康保険・厚生年金に入らなければならなくなったパートタイマーを社会保険料が増えることによる賃金減少を「事業者が給与を増やすことによって、賃金の減少を補ってあげてくれたら」、それに対して助成金を出しますよというものです。
その賃上げ率が「1年目15%、2年目15%、3年目18%」ととてつもなく高い金額となっています。
例えますと、時給1000円の人が1年目1150円、2年目1322円、3年目1562円の計算になります。それに対していただける助成金の額が1年目20万円。2年目20万円、3年目10万円の計50万円となっています。最高3年間いただける助成金で、1年目でやめてもいいんでしょうけどちょっと現実的ではありませんね。
そもそも毎年15%以上賃上げできる会社があるんでしょうか?文章を書いていて疑問に思ってしまいます。「こんな会社あったらいいなあ。儲かってるIT関連企業だったら可能かな?」とか考えたりしてしまいます。
(3)まとめ
もう一方の「(2)労働時間延長メニュー」は1回限りの30万円ですが、これは、いただけそうですね。
今現在、正社員の3/4以上くらいの時間働くパートタイマーは、健康保険・厚生年金(以下「社会保険」と略します。)に加入しないといけませんでした。
正社員が週40時間就労の会社ですと週30時間以上働くパートタイマーは、社会保険に加入義務があることとなります。
それが令和5年10月1日~は101人以上社会保険に加入している会社は、20時間以上30時間未満のパートタイマーも社会保険加入しないといけないこととなりました。
令和6年10月1日~は、これが「51人以上」にハードルが下がります。
国は将来の財源のため厚生年金に加入しなければならない労働者の就労時間数のハードルをじょじょに下げてきております。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。中小事業者のみなさんこれからも頑張ってまいりましょう。
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