みなさまこんにちは、中小事業者の味方の社労士ウリボーです。
今回はキャリアアップ助成金の「3%UP要件」について、正社員への転換にしぼってお話しさせていただきます。まず簡単にキャリアアップ助成金の説明をさせていただきます!
キャリアアップ助成金(正社員転換コース)とは?
キャリアアップ助成金(正社員転換コース)は、6カ月以上雇用しているパートタイマーや契約社員などの有期契約雇用の方を正社員に転換して安定的な雇用にする。その他一定の要件を満たせば助成金が国からいただけます。
いくらもらえるの?
契約社員や有期契約のパートタイマー → 正社員 57万円
※ただし生産性要件など一定の要件を満たすとそれぞれ57万が、なんと72万円に増額される場合があります。
生産性要件とは?
生産性要件とは、直近の決算書と3期前の決算書を比較して、一定の計算をして直近の数字の方が上回っていたら「生産性要件を満たしている」こととなります。
損益計算書の営業利益の額と人件費、減価償却費、賃借料など一定の経費を合計して最後にそれぞれの期末に在籍している雇用保険被保険者の人数で割って1%以上上回っていればいただけます。
営業利益と一定の経費を合計して算出するというちょっと変わった計算ですね。
中には営業損失の場合もあるでしょうね。
過去に直近の営業損失△2,100万と3期前が△4,300万で該当している会社がありました。
これらの数字を最後、期末在籍労働者の人数で割るということです。
従業員の数が増えていると、最後のそこで3期前より数字が低くなる場合もよく見受けます。
私がお手伝いさせていただいた会社で生産性要件を満たしているのは、だいたい5社に1社くらいでしょうか。そんなものです。
いつ申請できるの?
正社員に転換した日から6カ月経過した日から2カ月以内に申請しなければいけません。申請場所は、ハローワーク関連の場所ですが、都道府県によって違います。各都道府県の労働局ホームページを見るか電話で問い合わせましょう。
キャリアアップ助成金の給料3%以上アップ要件とは
この助成金がいただける要件の一つに「給料3%UP要件」があります。
転換前と転換後のそれぞれの6カ月間を比較して賃金が3%以上上がってないといけません。
例)契約社員のとき月給18万だったら、→ 正社員に転換後は186,000円
余裕持って引き上げましょう。
基本給のみとは一概に言えません。手当を含めないといけない場合があります。
あとよくあるのが、パートのときに時給1200円の方を月給換算すると21.5万位に設定しないといけなくなる場合もあります。よく考えましょうね。
厚生労働省のキャリアアップ助成金の説明しているホームページに3%要件を計算できる「賃金上昇確認シート」というツールを作ってくれています。利用してみましょう。
ウルトラCをお教えしましょう。正社員に転換することが決まったら、あらかじめ今の賃金台帳をハローワークなど助成金の申請先に持って行って
「正社員にしてキャリアアップ助成金考えているんだけど、どのくらい引き上げればいいでしょうか?」と聞きに行きましょう。
親切に教えてくれます。
その他の要件
要件はたくさんあるのですが、主なものとして
①正社員や無期雇用に転換する前後6カ月に解雇、退職勧奨退職(肩たたき)など会社都合退職を出していない。
②就業規則をきっちり整備していること(正社員の定義や正社員転換規定など)。
③あらかじめ計画書出さないといけません。正社員に転換する前に余裕持って「キャリアアップ計画書」を提出しましょう。
申請先が各都道府県の助成金センターがあればそちらか、申請先がハローワークであれば管轄のハローワークにわからないことは質問しましょう。親切に教えていただけます。
まとめ
簡単な説明で申し訳ありませんでした。わかりやすくするために少々のことは省略して説明させていただいていることをお許し下さい。
社労士などの専門家であれば全然難しくはないので、助成金に力を入れてやっている社労士に手数料を支払って手伝っていただくのもよいと思います。これら一定の前段階の作業がありますからね。
この助成金すごくいいです。事業者にとっても働く者にとっても。厚生労働省の皆さんいつまでも続けて下さいね。このコロナ禍には、すごく助かります。
それでは中小企業の事業者のみなさまこれからもがんばってまいりましょうか!
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